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寄り添い支援とがんサロン

2023年2月23日 崎本 とし子 とし子からの手紙

昨日の午前中は86歳の一人暮らしの女性の大学病院受診に寄り添い支援をし、午後は地域がんサロンたんぽぽカフェでした。

大病をせず迎えた86歳のKさんは、「胃がんです。」といわれて、大ショックをうけ、食事が食べられなくなり、見た目にも痩せてしまいました。3月に紹介された大学病院で手術を受ける予定です。「がん」という言葉が頭の中をぐるぐる回り、「死ぬのだ」と思ったそうです。でも手術の話はどんどん進んでいきます。

Kさんは、私の地域の知り合いで、「もういろんな会には参加できない」という電話をいただいたとき、「異変」を感じて、話を聞こうと訪問しました。

最初の訪問時、いっぱいの不安の中におられました。いろいろ話を聞き、できることはするからと伝え、がん患者相談支援センターなどの相談場所をお知らせしました。そして「治すための手術だからね。」と伝えました。最後には顔が明るくなりました。まだ手術まで1か月以上もあるけどそれでも大丈夫なのか・・・などの不安は22日の周術期管理センターの看護師との面談で少し軽くなったようです。

私は同行して状況がよくわかり支援しやすくなりました。ご本人も自分を取り戻しつつあります。受信後「手術まではいつも通りで、きちんと食べてよく歩くことが大事なんだね」と。本来前向きで、頭のいい人なのです。前向きに治療に向き合い、お元気になられるようにこれからも支援していきます。

がん患者にとって納得が大事です。いわれるままに何がなんだかわからないうちに手術をしても、その結果を背負いきれません。手術後は元に戻るのではなく、引き受けないといけない体調の変化があるからです。

一人暮らしの高齢者が、がんなどの病気になったとき、どんな状況で告知を受け、受け止められるのか。困っている人は少なくないのではないかと思います。皆さんどうしておられるでしょうか。

家族が近くにいて丁寧にかかわってくれればいいけれど、家族も第2の患者です。

どうぞいろんな相談場所を知っておいて、ご相談くださいね。「一人じゃないよ」と伝えたいです。

午後のがんサロンには初めての一人暮らしだという80歳の女性が来られました。12月に大腸がんの手術をして、もう治ったと思っていたのに、3月から抗がん剤の治療をすることになったと。いろんな情報に不安を持っておられました。化学療法を体験した参加者が丁寧に自分の体験を伝えてくれました。

帰り際には、笑顔で、「また来ます」と。またお会いするのを楽しみにしています。

一人一人に耳を傾ける人や場所があることの大切さをつくづく感じた一日でした。