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「医療界の綾小路きみまろ」中村仁一医師の講演

2013年5月20日 崎本 とし子 とし子からの手紙

保険医協会の総会の記念講演は、中村先生でした。一度はお聞きしたい、いやお会いしたいと思っていたので、参加しました。石原慎太郎氏の言う「生殖期間の終わった女性には早く死んでもらうと助かる・・・」という人権感覚とは違うことを願っておりました。政治家がいうと、「医療費がかかるから高齢者は早く死んでくれ」と聞こえる。(石原氏はずいぶん長生きしておられ、先日は入院もなさったらしいけれど)

長野で生まれ、京大医学部を卒業し、高雄病院院長・理事長を経て、現在は診療所の所長さんです。市民グループ「自分の死を考える集い」を毎月開いておられるようです。

講演テーマは、「死に方から考える活き方~ほんとうは癌では苦しまない」でした。興味深いでしょう。

話の内容は、やはり興味深いものでした。

老い」には寄り添い、「病」にはつれそう、「健康」には振り回されず、「医療」は限定利用を心がけ、「死」には妙にあらがわない。諸々のおかげをもっていかされていることに気付き、感謝する。・・・・・というのが話の中身です。

高齢者の最後の役目は、「自然に死ぬ姿を見せること」・・・私は大いに共感します。これが結構奥深い・・・と私は思うけれど・・。

「手遅れで見つかり、その時痛みのない高齢者の癌は最後まで痛まないことが多い」というのが、先生の経験的なお話でした。かえって医療をしすぎると「苦しむ」のだ・・・というご意見には、「正しい緩和ケアはして欲しい・・」と思いました。

さて、発見は、抗がん剤へのご意見です。国連の抗がん剤取り扱いマニュアルを日本は厳守していない。抗がん剤は、猛毒で、その取り扱い方を間違えば、発がん性があるので危険。しっかりと知らせて、きちんとするべきだ・・・と。参考文献を教えていただいたので、宿題にしたいと思います。

死に行く自然の過程を邪魔しない、死に行く人間に無用な苦痛を与えないことが鉄則だ・・・との見解。でも、家族の納得と合意は大切に、決して無理をしないこと。「死」と向き合うことのない多くの人に、死と向き合い(せめて時々考えて)、最後のときのことを考えてみよう・・・」と呼びかけることは必要なことだと私も思います。。

私は癌という病気を経験し、親を看取り、その死に寄り添った経験から、「死」を自分のそばにおいて毎日を生かしてもらっている・・と思っているところがあります。

「今」をしっかり生きることが大切、点検、修正を繰り返しながら、その日まで生ききりましょう。・・という呼びかけには大いに共感しました。

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