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宮城の被災地ボランティア(3)

2013年4月24日 崎本 とし子 とし子からの手紙

NHKのあさイチは、今週岩手の被災地から放送していますね。気仙沼市は宮城の県北端ですから、岩手の隣町です。わかめやカキの養殖など特産品も類似しているので、放送を身を乗り出して観ています。

さて、雪の21日の夜は、天候が回復し、22日は晴天。5時前には朝日を拝むことが出来ました。さくらは満開です。

宿泊したホテルは、震災後、生活費難所になったところで、震災の記憶を風化させないように・・・と「語り部バス」を毎日運行しています。全国各地から客が来ていて、「何か出来ることはないか・・・」と何度か訪れている人もいます。千葉から来たという人と話しましたが、「また来たいけどバスで25人の団体を・・・と思っても人が集まらないんです。・・・」といっておられました。私が「10年通うつもりで、来年も仮設住宅の炊き出しに来ますよ」と話すと、何か考えてみる・・・・といっておられました。聞いた話を伝えると涙ぐんでおられたようでした。

8時45分出発の「語り部バス」に乗り込みました。

語り部は、ホテルの従業員であり、消防後援会の副会長でもあるIさんです。南三陸町内を巡ります。死者566名、行方不明223名、3311戸(全体の約60%)が流失した町は、いたるところに痛々しい津波の爪あとが残っています。

海から300メートルの戸倉小学校(戸倉地区は、140戸のうち4個以外は全滅)では一人も被害者が出なかった取り組みのこと、ベットごと流された患者さんなど74名が亡くなった志津川病院のこと、町の防災センターで最後まで避難を呼びかけながら、結婚を前に無くなった遠藤みきさんのこと、そして余知られていない上司の三浦隆さんのこと・・・。(三浦さんは、遠藤さんに避難をするようにいい、最後は自分が避難を呼びかけつつ亡くなった人ですが、検証される前までは遠藤さんを避難させなかった・・・と非難をされたそうです。しかし、放送の声のテープを再生して、最後の声は三浦さんであることが確認されたそうです。家族が辛い思いをされたようです)

現地ならではの話も聞かせていただいて、当時の厳しさが伝わりました。

4月10日に電気回復、水は8月中旬まで回復しなかったそうです。

仮設住宅にいて、職場には1時間かかるようになったというIさんは、「こういう経験を参考にして、皆さんの役にたてば・・・」と実にリアルな説明をしてくださいました。

はじめて行くと、何もなくなっているので元の町並みがわからないのですが、説明によって以前の町並みが目に浮かぶようでした。

気仙沼では、500トンの大きな船が海から500メートルほど陸へ上がっており、津波の巨大な力をまざまざと見せ付けていました。船はまもなく撤去されるそうです。残すか・・・という議論もされたようですが、「この光景を見ることが辛い」という現地の皆さんの要望により、撤去がきまったそうです。

住宅跡に咲いているたんぽぽをみて、ここにも暮らしがあったんだ・・・と感じられ、胸が詰まりました。

南三陸町で地元食材満載の絶品の「春つげ丼」を食べて、新ワカメを買いました。その後、仙台空港へ向かい、16時25分離陸し、快晴の空を飛んで、伊丹空港へ。岡山に無事到着したのは、20時過ぎでした。

今回の東北訪問では、ギョウザ専門店の(株)蜂屋食品の蜂屋社長に大変お世話になりました。地域貢献するのを「役目のひとつ」と考える社訓を実践しておられる人です。本当にありがとうございました。

東北は遠いですが、顔が見える関係をつなぐと近い・・・。復興予算を巡る不正事件、国の補助金をうけ事業再生をしようと必死の事業者の苦悩、何とかがんばろうとしている多くの皆さんの姿・・・を忘れず、これからも岡山からの支援を続けます。今回ご縁ができた南三陸町の魚屋さんとも物資購入で応援が出来ないか考えています。

漁業でがんばる人たちにとって、福島原発の汚染水流出や海洋投棄は絶対あってはならないことです。さらに風評被害で追い討ちをかけるようなことを許してはならない!被災地支援を口にするなら消費税は増税してはならない!

それは、私が現地で実感したことです。東北のことを忘れないで、これからもできる支援を続けましょう。

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