日本科学者会議の総合学術研究集会
14日から3日間、日本科学者会議の研究集会が岡山大学で開催中です。
昨日は公開講座があり、参加しました。
「持続可能な社会の変革を共に」と題する池内了氏(総合研究大学院理事)の基調講演では、原発の反倫理性(犠牲のシステム)についてやドイツの脱原発の動き、「地下資源」から「地上資源」への転換の視点などが興味深く、科学者の社会的責任について「科学者はカナリヤ的存在である(科学者は反権力で無いといけない)」と話された言葉が心に残りました。
次が、お会いするのを楽しみにしていた安斉育郎先生(安斉科学・平和事務所所長)の特別講義。テーマは「原発破局への道・・・翼賛体制を構成した7つの要因と変革への道」です。
冒頭に、「放射能の理科的側面の関心は高いが、日米安保など社会的側面の関心が低い!」と指摘。
パワーポイントなどを使わず、「語り」で聞かせる「話力」はさすがです。原発推進の構造や国策である原発推進に反対したために受けた科学者である先生への「アカデミーハラスメント」(原子力専門家を東大は医学部助手として17年間もの間論文発表などに制約をした)についても語られました。私は、その話を読んで知っていましたが、少数ではあっても確かにおられる良識ある科学者のすばらしさを感じました。(先生は東京大学原子力工学科の第1期生15人の一人です)
原発は自動的に増えたわけではない。アメリカのエネリギー戦略との関係など社会的側面を見抜くことが大事。
主権者としての自覚を持ち、きちんと行動し、選挙に参加するなど、国民が主体的に解決をしなければならない!「水戸黄門症候群」「鉄腕アトム症候群」(つまり、誰かが解決してくれる・・・という考え方)を克服して、原発廃止のできる社会を!・・・の話に共感しました。
なぜ先生がひどいアカデミーハラスメントに耐えられたのか・・・の話はありませんでしたが、「苦しいときにがんばれたのは、科学者会議などの仲間がいたことと家族が支えてくれたこと」とかかれていたのを思い出しました。新刊を出されたとのこと、ぜひ読んでみたいと思います。