「ひめは今日も旅に出る」そねともこ著(日本機関紙出版センター)
2019年8月2日 崎本 とし子 とし子からの手紙
2016年秋にALSの診断を受けたそねともこさんが民主医療機関連合会の機関紙に書いていた手記を本にして出版しました。
私は彼女が医学生とかかわる仕事をしていた時からの知り合いです。
「難病となっても、私らしく、人間らしく生き続けることをあきらめない姿が問いかける、患者に寄り添う医療とは、看護とは、生きるとは。」との言葉どおりの本でした。
文章が読みやすく軽快!旅と料理と映画鑑賞が趣味のそねさん。病気の陰で生きるのではなく、「病気を持っているそねさん」として旅に出るのです。告知前にそうしていたように、「生きることを楽しむこと」をあきらめません。
治療方法がない難病、進んだがんや再発したがんの告知を受けた時というのは「時間の限り」を意識して生きることになります。その大事な時間をどう生きるか・・・が「その人らしさ」です。
自分を取り戻して、自分らしく生き抜くことができれば後悔は少ないはず・・・。生きるために当事者として発信しながら、福祉制度の「道」を作る姿もステキです。当事者発信は大切ですね。
そねさんの生き方が詰まったこの本はお勧めの本です。いいパートナーや家族・友人など周りの人といい時間がこれからも過ごせることを祈っています。