国保の医療費分析に関する報告書を読み解く
2011年8月5日 崎本 とし子 とし子からの手紙
岡山市は、はじめて国保事業の医療費分析をして報告書をまとめた。拍手を贈りたい!
議員現職の頃から私が国保事業にこだわっていたので、初めての報告書を市が届けてくださった。
5日付の山陽新聞朝刊にも報じられている。
私はずっと国保の医療費分析を私なりに行い、政策提言をつづけてきたので、それを確認するにもとても有効な興味深い報告書である。
医療費の視点から見た疾病動向は、従来の認識通りだった。循環器系が16.9%、がん12.9%、精神・行動の障害10.0%、歯科疾患9.0%・・・という構成だ。
循環器系とは、高血圧、糖尿病、脳卒中、虚血性心疾患の順に多く、それを総まとめにしたものだ。そうしたとき「がん」の12.9%がいかに多いか・・ということが再認識される。2人に一人ががん・・・という時代をあらためて認識するし、医療費、つまり治療費が高い・・ということも推定され、「がん患者はお金との闘いをしている・・」ことを思い出さずにいられない。
男性の外来受診率が低く、結果として医療費増加につながっていること、男性の受診率が低い要因は仕事が休みにくいなどの社会的要因も指摘されていること、重症化を防ぐための早期受診を呼びかける必要性(なぜ受診抑制になっているか・・・の分析はもう少し物足りない)、地域別の実態などが良くわかる報告書である。
平成22年の一人当たり月間医療費は岡山県平均並みである。(入院で10,838円、外来で11,916円)一方、国保料は、県下で4番目に高い・・・と記憶している。
私も無収入になってみて、国保料の負担の重さをひしひしと感じている。
報告書をしっかり読み解いて、市民の状況を踏まえ、議会で「国保再生」へ向けた議論が真剣に行われることを期待したい。